子供の頃はど田舎(過疎地)に住んでいました。父は外洋航路の船乗りだったので一年の大半は日本にいなかったのですが、その仕事柄もあってかどうかは知りませんが、両親は私に英語を覚えさせたかったようでした。CDなど無い昔の話なので、母は私のために「東京こどもクラブ」という幼児教育用のレコードを取り寄せてくれていたのです。レコードの内容は確か童話や童謡、子供向けの英会話なんかだったと思います。なにせ自分も2歳くらいの頃でしたので、多少は記憶違いがあるかもしれませんが、まあ、だいたいそういう感じのレコードが送られてきてたんです。英語のレコードというのは"Mommy! Listen, please!"なんてレコードから声がしてくるわけなんですが、別に親が英語を話すわけでもなんでもないのにレコードだけ聞かされても何が何やらわかりませんよね。今なら子供向けDVDなんかも簡単に手に入るでしょうけど、なにせレコードの時代ですから。
そうしているうちに、大人がレコードを操作しているのを見て「あの針で引っ掻いている溝に音が入ってるらしい」と気づきました。針を置く位置を変えるとある部分を飛ばしたり、もう一回聞いたりできるようです。それに内容に応じてレコードを交換するということも、見ててなんとなく解って来ました。結果として、母が英語のレコードをかけても、ちょっと目を離して台所などに行ってると、その隙に自分で英語のレコードを童話のレコードに交換するということを覚えてしまい、結局幼児だった私は英語を覚えずに、今頃になっても英語で苦労していたりしますが、それはまた別の話ということで。
ところで英語とは関係のない話なんですが、レコードっていかにも針で引っ掻いて音が出てきているように見えますよね?子供心にも「レコードの溝」に音が入ってるんだなというのは実感できました。今の子供はレコード見る機会が殆ど無いでしょうから、なんとなく可哀相にも思ってしまいます。今にして思えば、レコードって直感的に音の原理の大切な部分がわかる理科の良い教材ですよね。結局英語は身に付きませんでしたけど、そういうものを触っているうちに理科全般には強くなりました。そういうわけで英語の英才教育(?)に失敗した我が家では、それで反動が付いたのかどうかは知りませんが、小学校に入学する頃には、すっかり勉強についてはうるさく言わない家になっていたのは有難い話です。
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